2001年11月29日
『リトル・ダンサー』
以前、会社の後輩の女の子・Kさんからこんな話を聞いた。
Kさんには大学時代、仲のいい男友達がいた。体育会系の骨太タイプで、顔のほうもまあまあ。その彼がある日、「相談したいことがある」と、Kさんを喫茶店に呼び出した。仲間で集まって遊びに行くことは多かったが、2人だけで会うのは初めて。「もしかして、告白?」とちょっと期待していたKさん。緊張しつつテーブルにつくと、彼がおもむろに切り出した。「俺、実は昨日、男に告白されたんだけど・・どうしよう?」
――ちょっと意外な展開にしばし呆然となるKさんであった。
彼に告白してきたのは、高原のサナトリウムが似合うような華奢な美少年。悩んだ挙げ句、彼はその美少年とつきあい始めた。やがて2人は同じアパートで一緒に暮らすようになった。
これで男に目覚めた彼は、ほかの男の子にもちょくちょく手を出した。当然のことながら、美少年との間にはケンカが絶えない。Kさんは両方から相談相手にされ、愚痴を聞かされまくっていたそうだ。
「そんなアタシって、いったい・・・」などとブツクサ言ってはいたが、言葉とは裏腹にそのときの彼女の表情はとても楽しそうに見えた。何もKさんだけに限ったことではない。女の子の多くはホモとかオカマの話が本当に好きなようだ。ためしに近所の書店に行ってみるといい。必ずと言っていいほど、少女マンガみたいな表紙の女の子向け同性愛ノベルズが、棚ひとつ占領しているから。
「リトル・ダンサー」にも、オカマの少年が出てくる。作品自体とても感動的で、ヒットしたのも十分うなずけるのだが、あれだけ女性観客にアピールしたのには麗しのオカマ少年・マイケルの魅力も貢献していたのではないだろうか。
夢も希望もないイギリスの炭坑町でバレエダンサーを目指す11歳の主人公、ビリー少年。そのクラスメートがマイケル。これが本当に、女の子のようにかわいらしい美少年なのである。
彼には女装趣味があるのだが、「ボクはどうしてみんなと違うんだろう」みたいなアイデンティティーの悩みはカケラもない。女装しているところを初めてビリーに見られた時も、普通なら隠したり、ごまかしたりしそうなものだが、実にアッケラカンとしていて「お前もやってみろよ」なんて言う。子供ながら実にいさぎよいオカマなのである。
ビリーのことが大好きなマイケル。とは言っても、Kさんの男友達のように「告白」だ、「つき合う」だ、なんてことはなくて、あくまで子どもらしい淡い感情である。
ビリーは本格的にバレエを習うために生まれ育った町を離れることになるのだが、それを見送るマイケルは本当にいじらしい。ちょっとすねて、ソッポを向きながら「ホントに行っちゃうのかよう」なんて言う姿は、もう、抱きしめたくなるほど。・・って、俺もちょっとヤバいか。
映画のラストでは、立派に成長し、大舞台で主役を飾るビリーの姿が感動的に映し出される。その客席には恋人らしき男を伴ったマイケルの姿も・・。
しかし! しかしである。成長したマイケルは、おしろいと頬べにをぬりたくった汚いオカマになっていたのである! 少年時代とは似ても似つかぬ姿に愕然とした私であった。
子供時代だけで終らせてほしかった。この素晴らしい映画の唯一の欠点である。
-Text by 輝-
号泣しました。
青年の笑顔を持つ少年に乾杯!
空と海の青と煉瓦の赤茶
愛!!
私の一番
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